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Concept
平成28年度には障害者差別解消法さらには発達障害者支援法の一部を改正する法律が施行されており、
障害があっても学ぶための環境整備や支援が行われるようになったことから、
今後も発達障害を含む何らかの障害のある学生の増加が予想されます。
私たちが関わる看護系大学でも、当該学生に対して合理的配慮を提供する義務があります。
しかし、発達障害のようにある特定の課題に対して遂行の困難を示す障害は、
障害が一見して分からないということもあり、その対策が講じにくいという特徴があります。
日本学生支援機構から、発達障害のある学生に対する支援ガイドが提示されていますが、
実際の患者を対象として学ばなければならない看護学生に対しては、適応できない内容も多く、
人と人とが接する実際の教育現場では、まだまだ支援のプロセスと経験が成熟しておらず、
教員は持てる知識を持って努力しているものの、
実際に直面する課題の重さに感情が追い付かないというが問題が生じています。
私たちは、看護教員にこのような問題を極力抱えず教育に注力してもらうため、
そして何よりも発達障害あるいはその傾向のある看護学生や看護師が自らの特性を理解し、
周りの協力を上手に得ながら、自身の持っている強みを発揮できるようになってほしいと願っています。
そのために、研究成果によって解決策を伝え、
教育現場で「しっかりと」効力を発揮する教育プログラムをつくり上げてまいります。
私たちは2013年から文部科学省の基盤研究(B)に採択され、看護系大学において特別な支援を要する発達障害傾向の学生に対するサポートについて検討してまいりました。2016年度からは継続して採択された基盤研究(B)で早期に発見するためのスクリーニング・チェックリストの作成や、発達障害傾向にある看護学生への現任教育までを含めた適応支援ガイドラインに取り組んできました。
2020年度は、特別な支援を要する看護学生の特徴とその学習支援内容を明らかにするため、全国1064の看護師学校・養成所に対してアンケートを実施しました。(結果は今後学会等で発表を予定しています)
2021年度以降は主に、特別な支援を要する看護学生への支援に求められる教師の能力を具体化することを目的として、研究者の知見・意見を集約させるデルファイ法を用いた調査に取り組んでいます。
今後は、調査結果をもとに特別な支援を要する看護学生への支援を行う教師の教育プログラムの作成を目指します。プログラムでは有効な具体例や事例を知識と経験の両側面から知ってもらうことに重点を置き、研究でのアウトプットを情報として提供しつつ、実際に役に立つ教材開発やロールプレイング等のプログラムを開発していきたいと考えています。
<2008年度>
第28回日本看護科学学会学術集会会長に福岡県立大学看護学部 学部長・教授(当時)であった安酸史子が任命された。
<2009年度>
平成21年度文部科学省「戦略的大学連携支援事業」に採択され「看護系大学から発信するケアリング・アイランド九州沖縄構想」事業の取り組みがスタート。
前年度の第28回日本看護科学学会学術集会の実行委員を担った大学を中心に、九州沖縄の看護系大学13大学(福岡県立大学・聖マリア学院大学・西南女学院大学・日本赤十字九州国際看護大学・福岡大学・福岡女学院看護大学・国際医療福祉大学・活水女子大学・九州看護福祉大学・大分県立看護科学大学・琉球大学・沖縄県立大学・名桜大学)と協力校1大学(産業医科大学)の14大学により、2011年度までの3年間で様々な事業に取り組んだ。
<2012年度>
本研究は、2009年度から取り組んだ「看護系大学から発信するケアリング・アイランド九州沖縄構想」の新人看護師のメンタリングサポートから派生したもので、ケアリング・アイランド九州沖縄構想に参加した大学のうち11大学の教員が共同研究者となった
2011年度に終了した「ケアリング・アイランド九州沖縄構想」に参加した大学により、コンソーシアムを発足させた。
福岡県・沖縄県の8大学(福岡県立大学・日本赤十字九州国際看護大学・聖マリア学院大学・国際医療福祉大学・産業医科大学・琉球大学・沖縄県立看護大学・名桜大学)とステークホルダー5団体(国立国際医療研究センター・兵庫県災害医療センター・福岡県看護協会・沖縄県看護協会・福岡看護e-ラーニング研究会)によるる「多価値尊重社会の実現に寄与する学生を養成する教育共同体の構築」事業の取り組みをスタート
<2013年度>
本研究は、2012年度に採択された基盤研究(A)卒後1年目看護師の定着率向上を目的とした広域包括支援プログラムの開発研究の分担研究者を中心に11大学の教員で3年間研究に取り組んだ
<2016年度>
本研究は2013年度に採択された研究の課題から適応支援ガイドラインを作成することを目的に前回の分担研究者を中心に13大学の教員で4年間取り組んだ
<2020年度>
本研究は、2016年度に採択された研究の課題から、看護系大学教員の教育力育成プログラムの開発を目的に前回の分担研究者を中心に8大学の教員で4年間取り組み予定である
RANS(Reasonable/Rational Accommodation in Nursing Schools)
看護師養成課程における合理的配慮の実装化に関する研究グループ
email: kakenb20202023@gmail.com